「痛いですか?」
「痛いです。」
「痛いですよね。」
施術の現場でよくある会話です。
これ実はクライアントさんにとってもあまり良くない会話なのです。
プロセラピスト上田正敏です。
これ何がまずいのでしょうか?
もう少しわかりやすく会話と心の中の言葉を見てみましょう。
「」は言葉。()は心情です。
(さて、体にふれてみよう。)
(あれっ?ここ固いな?痛いんだろうな。)
「ここ痛いですか?」
「いや特には。」
(あれっ?そんなはずはないのに、もう少し強く押してみよう)
「痛いですか?」
「あぁ、痛いかもしれないです。」
(どれどれ、もう少し強く押してみよう。)
「痛いですか?」
「はい。痛いです。」
「痛いですよね。」
(うんうん。そうだよね。痛いよね。私の見立ては正しいから。)
誰が痛みを作っているのでしょうか?
クライアントさん?それともセラピスト?
まさか妖怪の仕業か?(ちょっと古いね。)
セラピストが痛いはずだと思って施術をしていると痛くなります。
必要のない痛みを作り出し、その痛みを消していきます。
思い込みで相手の痛みを作り出し、痛みが消えたと思い込む。
これをやってしまうセラピストは、自分を見つめ直す必要がありますね。
無意識で問題のないところに問題を作ってしまうパターンがあるのです。
僕たちセラピストが目指す世界はクライアントさんの幸せです。
どんな仕事でも関わる人が幸せになることが仕事の役割だと僕は考えています。
痛みに焦点をあてた施術は、痛みしか扱えません。
ひどい場合にはない痛みを作って、それをない状態にする。
つまり何もしていないということです。
痛みを消すことが幸せではないのです。
それは対処療法で大切なことですが、根本療法ではないのです。
痛いのではないかと思って体を押したら痛くなるのです。
痛いかどうかを判断するのはクライアントさんです。
セラピストが判断するものではありません。
なぜなら痛みはクライアントさんのものだから。
セラピストのものでは決してありません。
なんのために体を押しているのかという話です。
体に触れることは相手とコミュニケーションをとること。
何かをしてあげたり、されたりするものではありません。
セラピストとクライアントの対話であり、クライアントさんの体と心の対話であるのです。
ボディワークする人の教科書の最初に見開きで書いておきたいことです。
思い込みを外し体と心をつなぐ個人セッション、
自分らしく生きるためのワークショップをしています。
http://www.yoriyoku.com