僕ら心理学では、感情を中心に扱っている。
感情は、英語でエモーション、さらに分解するとエネルギー・モーションなのだ。
感情とは、つまりエネルギーの動きなのである。
電力や磁力もエネルギー。
これには極性がある。
電気はプラスとマイナス、磁石はN極とS極。
流れがあるということだ。
感情も同じで、極性がある。
ポジティブとネガティブだ。
例えば、意欲がポジティブ側とすると、怒りはネガティブ側だ。
これは同質のエネルギーなので、怒りは意欲に変わりやすいし、意欲は怒りに変わる。
意欲と怒りの奥深くにベースとなる感情がある。
それがタイトルにも書いた一体感と分離感。
人間が一番最初に感じる大きな分離感は出産だ。
お母さんと一体感を感じていたのに、生まれることでお母さんと分離される。
これが最大の悲劇だとも言われている。
赤ちゃんは生まれてからもお母さんとピッタリとくっついていたい。
そのことで一体感を感じるからだ。
それが安心なんだ。
そして、幼年期になり、思春期になる時に、個人として自立をはじめる。
いわゆる反抗期は自立への一歩だ。
思春期は、子供でもなく大人でもないどこにも属していない不安から、同じ年代でつるむことが多い。
どこに属するのかがとても重要なテーマになる。
だから、この時期に、いじめとかあると精神的にきつい。
大人になれば、嫌な場所から逃げることはやりやすくなる。
まぁ、大人になっても色々としがらみがあったりするんだけど、ここでは置いておく。
大人になったら自分でそのしがらみは解き放つ必要がある。
そのサポートに僕たち心理セラピストがサポートをしたりするのだ。
なかなか本題にいきません(笑)
そう、一体感と分離感。
人はこれを繰り返しながら大人になっていく。
ずっと一体感を感じたいという願いはわかる。
僕もそうだから。
でもね、分離感を感じるかもしれなけれど、手放すことが必要なことがある。
それは何かモノかもしれないし(断捨離とかお片付けとか)
何かコトかもしれないし(やっていたことをやめるとかね)
誰かヒトかもしれない。(ほとんどの精神的な問題は人間関係)
時代は多様性と呼ばれている。
多様性とは個人を尊重することが多様性。
それは人権を大事にするということでもある。
人は少数派でも尊重される権利があるということ。
僕は心理学を学んだ時に、対等性とは、違いを認めることだと学んだ。
対等とは同じにすることではないのだ。
だって、みんな一人一人違うからね。
これって感情的には分離なんです。
流行とかは逆に一体感。
みんな同じということ。
天下統一とか、みんな一緒とか、好きなんだ。
一体感を感じるから。
個性を大事にする。
僕もこれは大事なことだと思っている。
でも、今現在、少数派を大事にして、多数派が大事にされていないと分離感を味わう人が多くなってきている。
世界的な動きとして、個を尊重しすぎたことへの揺り戻しが起きている。
個を尊重するには豊かな社会でなければ実現するのは難しい。
貧しくなれば必ず少数派は切られていく。
物理的に豊かでないと心は弱くなっていく。
仏陀やイエスみたいな聖人は物理的なモノを手放し、精神的な自由を手に入れた。
だが、こんなことができるのは一部の聖人だけだ。
これは目指したい世界なんだけど、実際には難しいことなんだ。
個を尊重する精神は持ち続けたい。
そんなことを思う今日この頃。
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