パントマイム・インプロビゼーション・ワークショップに参加してきた

もう10年以上前のことでしょうか。パントマイムを学びに行ったことがあります。ルコック系の緊急クラウンのワークショップの延長だったか、ビジネスに表現が必要だと思ったか、クライアントさんがマイムを学んでいて感動したのか、初心者集中講座なるものに参加して作品を作ったことを覚えています。自分を表現するって一種のセラピー的な要素があるんですよね。

武道とパントマイム、気配とコミュニケーション、聴く力と共に創る力というようなキーワードに惹かれたのです。それでポチッと参加してきました。

参加者はTOKYOマイムシティの生徒さんたち。その中に混ぜてもらった感じです。みなさん個性的なキャラをお持ちで、クラウンのような人たちでした。

体を動かし、気を感じるワークからスタート。ゆっくり場になじんでいきました。

辻斬りのようなワークが面白かったんです。2人がお互いに近づいていき、一人が相手を切り付ける。もう一人が大袈裟に切られてるようなことをしました。気配を消して切るって難しいですね。最初から切るぞ感があったり、ただの怪しい人になってしまったり、いわゆる普通が一番難しいのかもしれません。そういえばトムクルーズも暗殺者の役をやる時に気配を消す練習をしていたと言ってたな。スターは気配をだしまくりですから。

さらに、一人が全員を切るようなこともしました。これが気持ちよかった。倫理観が現代とは違うお犬様以前の世界では当たり前のように辻斬りは行われていたのかもしれないと思ったのでした。あの感覚は不思議なものです。

2人で何かで遊ぶというようなワークもしました。例えば、ボールで遊ぶ。もちろん本物のボールは使わずに演技でボールを共有しあいます。大きさ、重さ、質感、弾み方など2人で共有するのが難しい。バレーボールがソフトボールになったり大玉になったりしちゃうんです。現実の世界ではなくファンタジーの世界になってしまうんです。こうなるとつまらなくなっちゃうんですよね。絵本の世界では面白いのかもしれないんだけど、パントマイムとなると何かわけがわからなくなってしまう。イメージの共有がぶち壊されるとただの怪しい動きをしている人たちになってしまうんですね。

僕にもあるんだけど「パントマイムってこういうものでしょう」という思い込みがあるのです。例えば、壁を表現する時には手をペタペタするとか、大袈裟に口をあけると笑っているとか、ほっぺをふくらませれば怒っているとか。記号になってしまっているのです。これ記号を理解している人には伝わるんだけど他の人には伝わらないのです。日本語と英語との違いくらい。また、外国に言ってカフェとかで本気で日本語で伝えるとなぜか伝わるみたいなことってありますよね。これが非言語の極地みたいなことあるのです。

そういえば、昔にクラウンのワークショップで大道芸で賞を受賞している人が参加していたんだけど、その人の演技がつまらなかったのです。その時に言われていたのは、技術でやらないこと。ちゃんと感じて演技することが大事なんだと言っていたな。鴻上さんのワークショップでも良い役者さんは感情と思考の両方が使える人と言っていた。感情は感じていること、思考は技術のことです。

最後にモノを渡すというワークをやりました。例えばコップを渡したり、ボールを渡したり。これ時間をかけてお互いにモノを共有し合い渡すのです。共有ができなければ拒否したりも。普通にモノを渡すのとは違って何倍もの時間がかかるし、集中力もハンパないのです。お互いに何かがつながった時にはじめて受け渡す。この一瞬に何かつながりが見えて来たのです。相手に伝わったなという感じがあるのです。さらにその感覚は見ている観客にも伝わるのです。この一瞬の感覚の共有がコミュニケーションの極意なんでしょうね。

言葉ではない身体で伝えるって何倍も難しい。ただ伝わる情報量は無限になりますね。

現代社会は効率重視で頭ではわかっている人は多いんだけど、身体レベルに落とし込むのにはものすごく時間がかかります。わかった気になることとできるようになることは雲泥の差があるのです。

今回の学びは丁寧に生きることかな。よく観察すること、丁寧にモノに触れること、無意識にやらないことです。意識的に自分自身と対象物に関わるということ。対象物はモノもあればヒトの場合もある。さらにはその空間も感じること。室内かもしれないし、さらには社会だったり地球だったり宇宙だったりするかもしれない。意識の輪も意識したいものです。

密度が濃い生き方になりそうです。

主催のシスター、講師の伊熊仁美さん、参加者の皆様、ありがとうございました。

■フリースタイル・コンテンツ紹介

■個人セッション
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■ソースワークショップ
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