即興劇 インプロ・ワークショップを受けてきた

インプロビゼーション、通称インプロのワークショップを受けてきました。

improvisationは、imは否定で、provisationは準備なので、「準備をしない」が直訳。つまり台本がない演劇をインプロと呼びます。即興劇と呼ばれています。

僕がインプロに感じている可能性は、自分を理解したり、相手を受け入れたり、アイデアが浮かんだり、問題が解決したり、心が動いたり、感覚が変わることだったりします。そして、楽しく学ぶことができることが大好きなところです。

なんと前回の濃いステキな常連さんたちがいなくて、新しい人ばかりという場でした。インプロそのものがはじめての人も多く、講師の絹川友梨さんの解説が素晴らしかったんです。インプロって面白そうという期待から入って、体験を通じて、インプロとは何か?、インプロの歴史とは?日本の状況はどうなっているのか?とか学術的な話もでてきて興味がつきません。大学で授業を受けてみたいです。

体験、シェア、解説の学び方が僕にはピッタリです。知識だけでは役立たないというのが現場感覚なんですよね。体験が伴わないとね。

名前を呼ぶ

円になって、みんなで順番に名前を呼ぶのです。それをぐるぐると何周もします。だんだんと気持ちがよくなってくるんです(笑)名前のマントラみたいな状態です。繰り返すって瞑想的な境地になっていくのが興味深いですね。

自己紹介周し

名前を呼んで、呼ばれた人がまた誰かの名前を呼んで、と繰り返します。

次に、言葉ではなく拍手で回していきます。

最後に、言葉、拍手、言葉、拍手、言葉・・・と繰り返していきます。もう絶対に間違えるやつなんです。間違えるってダメなこと、イヤなことになりがちなんです。失敗大好きという人間に会ったことありません(笑)なので、このゲームは間違えたらバンザイをして「間違えちゃった!」と宣言して、周りも「おめでとう!」と祝福するのです。

バカみたいなんだけど、失敗を恐れる自分と出会いながらも、だんだんと失敗が快楽に変わっていくのです。脳内を強制的に書き換えですよ。失敗が苦しいものから楽しいものへとね。

さらに言えば、失敗は面白いのです。もうね笑ってしまうんです。心が動いていくのです。これが大事なことなんですよね。人の失敗は面白いのです(笑)

連想ゲーム(パン・パン・トン・トン)

ゲームが複雑になっていきます。小さな積み重ねをしていくのがワークショップの手法です。どんなゲームでもだんだんと難しくなっていくが楽しいでしょ。

リズムに合わせて連想ゲームをしていきます。ルールはあってないようなもの。いかに誤魔化すのかが面白い。そこに新しい発見が生まれたりも。その人らしさが現れるのが面白かったなぁ。

コンタクトインプロ

Aさんは立っている。そこにBさんがAさんの体の一部に触れる。CさんがBさんの体の一部に触れる。このタイミングでAさんは離れる。という人間彫刻のようなワークです。Cさんが触れるのはAさんでもBさんでもOKです。そして、Cさんは体のどこで触れてもいいのです。

言葉で書くと難しいんだけど、やればすぐにわかります。なぜ遊びのゲームは説明するのは難しく、やってみると簡単なんでしょうね?これは子供の頃からの謎なんです。

人と人がくっついている形って面白いんですよ。そして、2人の関係性からドラマが生まれるのです。もちろん、見ている人たちの脳内でドラマが再生されていきます。人が2人いるだけで勝手に物語を作ってしまうのは人間の性でしょう。

難しいことを書いていますが、ゲラゲラ笑いながら遊んでいます。

大きな木

「私は大きな木です」といって人が立ちます。そこに「私は鳥です」とか「私は虫です」とか言いながら自分でポーズをとって立ちます。最後の人が終わるまでやります。そして「私は大きな木です」と最初に行った人が、誰かを残すのを決めます。例えば、「鳥」と言えば鳥の人はそのままのポーズでその場に残り、周りの人たちは場から退場します。

これがインプロの極意である、イエス・アンドです。「私は大きな木です」というオファーを受け取ったら、それをイエスと肯定します。「お前は木なんかじゃねーんだよ!」みたいな意地悪な子みたいにノーを言ってはいけません。そして、その提案に乗っかって、自分のアイデアを足していくのがアンドです。「私は鳥です」というのはアンドです。

これは集団において大事なことなんです。肯定されると人は嬉しくなります。そして、自分のアイデアを乗せていき肯定されていく。みんなが肯定できるものが出来上がっていきます。ポジティブなものが出来上がっていきます。アイデアを発散させるためには必要不可欠なことです。決めるのは後でいいのです。アイデアを膨らませたり、可能性を見つけたり、思いもよらないものがでてくるにはイエス・アンドの精神が必要不可欠なのです。グループでワークする時に大事な心構えなんです。これできない人が多いのです。だから遊びながら訓練をする必要があるのです。

そうくるかぁの連続でした。考えるよりも直感で動くのが良さそうです。閃きの練習にもなりますね。

職業あてゲーム

ここからは演劇ですね。物語が演じられました。

Aさんは見ざる言わざる聞かざるな状態になって、他の人たちは、講師からAさんの職業を聞きます。もちろんAさんの本当の職業ではありません。例えば「お坊さん」「ティッシュ配り」「消防士」「ハイジャック犯」なんてお題をやりました。Aさん以外の人は職業の役をやってはダメで、周りにいる人の役割を演じます。そう、Aさんは自分の職業を想像して演じるのです。Aさんは探り探り演じるのです。

僕は消防士でした。舞台に入ると、緊急事態なのがわかりました。なんか伝わってくるものがあるのです。みんな動きを見ていると「海のレスキュー」だと思ったんですね。演じていたのは炎だったみたいなんですが、僕は波に見えたのです。そして、救助を待っているのは溺れている子供に見えたんです。あっ、これ言葉なしで演じています。

みんなの顔色を見ていると違う違うと言っていることがわかります。ずっと炎を演じてくれているんですが、波にしか見えないのです。冷たい感じがしていたからでしょうか。すると救助を待っている人が汗を拭うような仕草をしたんですね。「あっ!冷たいんじゃない、暑いんだ!」とわかったら、消防士かと思って消化作業に入ったら、みんなの緊張が解けていきました。これで正解ということがわかったんです。

これチームに分けてやっているので、正解にたどりつくプロセスがみんな違うのです。

何を考えて、どうやってのかのシェアを聞くのが楽しかったです。思考のプロセスがみんな違うのです。そして、周りの人たちも打ち合わせをしなくてやるので自分もイエス・アンドで状況に乗って行くことが大事だったりしますね。人間の集団の力ってすごいかもしれない。

秘密の目的

最後には、2人1組で秘密の目的。Aさんは秘密の目的を持っている。BさんはAさんの目的を叶えてあげたいというのが前提。講師がAさんにお題をだします。今回は「貸していた15万円を返して」という目的。場所は喫茶店。僕はBさんをやりました。僕は「お金を貸して」だと思ったんです。お金までは察したんですね。借りているとは思えなかった。この察する力ってなんなんでしょうね。不思議です。隠していても伝わってくるのです。

インプロは台本がないので、演じるのがリアルになります。台本のお芝居って、台本を読むだけになっちゃうんです。昔のアスリートのCMみたいな棒読みのセリフを言うだけになるんです。感情を抜いていくとこうなっちゃうみたいな芝居になってしまうんですよね。即興は状況だけで自分が言うことを考えるのでリアルさがあるのです。これは素人でもできるんです。そもそも人は他人になれるのは不思議です。ヒーローにも怪獣にもお母さんにもなれるんです。ごっこ遊びやままごとは教わらなくてもできましたからね。本能的に演じることができるのが人間なんです。大脳が大きくなり認知革命があったからかな。

心理セラピストとして、メンタルトレーナーとして、インプロには可能性しか感じません。

自分を知ること、自分の可能性を知ること、他者に表現すること、他者を肯定すること、いやぁ学び大き時間でした。

ありがとうございました。また、行こう!

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