期待を手放したらパートナーシップがよくなった話

「あっ!期待を手放すって、こういうことか!」と気づいたことがありました。

うちのかみさんはいつも夕飯を作ってくれています。有難いことなんです。ただ、その時には夜の仕事前に夕飯が間に合わなかったんです。

その時に、全くと言ってもいいくらいに、何の感情も湧いてこなかったんです。

いつもだったら、怒りが込み上げてくるんですね。「いつも時間にルーズなんだから」「いつも遅刻してばかりいる」「朝だって起きてこないのに」とか、その時以外の怒りもたくさん込み上げてくるのです。その裏にある言葉は「僕を愛してくれていない」という感情です。ご飯を時間通りに作ってくれることが愛だと思っているということなんです。つまり、ご飯が間に合わないということは「愛されていない」と思ってしまうということです。

愛されていないことに怖くなって怒ってしまっていたのです。今まではね。

ところが、全く怒りが湧いてこなかったので「期待を手放せたんだな」と気づきました。期待をするから裏切られるのです。なんの感情も湧いてこないので冷静に自分の思考も分析することができます。料理を作ってくれることと自分を愛してくれているかは別のことだとハッキリわかったのです。今までは料理を作ってくれることは愛だという思い込みがあったということです。「愛されていない」と心の底で思っているから怒りが込み上げてくるという仕組みが自分の中にあったのです。失礼な話ですよね。

僕たち夫婦は心理セラピーを長年やってきています。なのでここからさらに深掘りをし始めました。

こんな感じの怒りは24年間も続いていたことなんです。それを指摘されてピンときたことがありました。それはうちの母が24才の時になくなっているのです。この怒りの根本にはうちのかみさんへの怒りではなく母親への怒りだったということなんです。母親に裏切られたと感じていることがあったということなんです。

では、何を裏切られたと思っていたのか。それは、それは僕を残して死んでしまったことなんです。それを裏切りと感じていたのです。さらにいえば、僕を産む時に体を壊して体調がよくなく、さらに小学校に上がる時には腎臓病になってしまったんですよね。「こんなはずじゃなかったのに」という思いも心の底で感じていたことに気づいたのです。映画「僕たちはどう生きるか」で母親と再会を約束して生まれてくる物語ともつながったのです。「約束と違うじゃないか」と怒っているのです。

ここには深い物語があったんですね。

そして、興味深いことがもうひとつ起きたのです。ご飯が間に合わなかった時に「ごめんね」とあやまったのです。絶対にあやまらないうちのかみさんが。ビックリしました。さらに、僕の気づきを話すと「私のんびり屋さんなんだよね。だから時間が読めないんだ。」と言ってきたのです。これも24年の中で初めて聞いた言葉です。彼女も何かを受け入れて素直になったのでしょう。

夫婦それぞれに持つ思い込みがあって、それで問題が解決しずらくなっていることがあるのです。その思い込みのせいで、今の夫婦関係に亀裂が入るようなことがあるのです。1人では問題解決せずに、2人だからこそ解決することがあるのです。

これはカップルカウンセリングを再会しなければならないなと思ったりしています。夫婦関係の洞察がまた深まったのです。僕らが提供しているサービスって技術も大切だけれど、自分たちが真摯に自分と向き合っているかが大切なのです。自分自身は完璧なのではなく、少しでも成長していることこそが完璧なのです。

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