演じている自分も自分かもしれない

演じている自分と本当の自分がいると考える人がいる。

  • 「すべて嘘だったのね」
  • 「嘘をつくんじゃありません」
  • 「正直に話しなさい」

そんなことを言われた人も多いでしょう。

  • 何が本当で、何が嘘なのか?
  • 嘘を演じているのか?
  • 本当の自分って何?

そんなことを考えた人もいるでしょう。

真理を探究している人たちは「どこでも自分らしくありなさい」ということを心がけていたりします。いつでもどこでもだれとでも同じ自分でいられたら楽でしょうということなんです。自分自身に正直であることが重要です。

社会を探究している人たちは「人の数だけ自分がいる」と考えています。本当の自分などいなく、自分という存在は他者がいて成り立つので、他人との関係性の数だけ自分がいると考えています。

僕はどちらも正しいことを言っていると思っています。他人の数だけで自分自身がいるし、いつも自分自身に正直でいることを大切にしています。他人から自分がどう見えているのか、自分で自分をどう見ているのか、この視点を意識しています。

そうだ。演じるについて書きたいと思っていたので話を戻します。

とあるところで、ガチガチに緊張していた子がいたのです。見るからに体に力が入っているのです。何をしてもゆるまない。何かあったんだろうかと心配するくらいに緊張していたのです。

ところが、その子が役を演じた時に、全く別の身体を持ったかのような別人になっていたことがあったんです。もうビックリですよね。目をゴシゴシと擦りましたよ。全くの別人なんで。でもよく見ると同じ顔をしている。うわぁ、まじか、すげぇ。演じるすごさを感じたのです。

演じるって、自分の中にある可能性の引き出しをあけることなのではないか。

そう思ったのです。全くの別人にはなれません。憑依するということはあるのかもしれませんが、それもその人自身だと僕は思っています。自分の身体を通して表現することは、すべて自分自身であると思うのです。

つまり、緊張している自分も演じていて、リラックスしている自分も演じることができるのです。自分で自分の世界を創っているということ。

もしも、これが本当だとしたら、健康な人を演じたり、お金持ちを演じたり、良い人を演じたりしていれば、スポーツ選手を演じたり、アーティストを演じたり、起業家を演じたりすれば実際の現実もそうなっていくのではないかと思うのです。

そのくらい自分で自分を変える力を持っていると僕は信じています。

演じることによって他人をだませば詐欺師ということになるし、他人に喜ばれればヒーローということなのかもしれません。

演じるためには、なりたい人を観察しなければなりません。例えば、お金持ちになりたいのならば、お金持ちの人の口癖、振る舞い、行動など様々なことを観察する必要があります。できる限りすべてを真似るくらいでちょうど良いのかもしれません。うまく演じられなければ、また観察からスタートして真似ることを実践していく。

誰かが、人は誰でもヒットラーにもなれるし、マザーテレサにもなれると言っていました。人間のDNAの中にすべてのものが入っているのではないかと仮説を立てています。

誰にでもなれるとしたら、あなた誰になりたいですか?どんな人になりたいですか?

演じているうちにそんな人に近付いていくかもしれません。

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