山に行く時には、多くのハイカーが持っている山と高原地図で調べることはまずありません。
国土地理院の地図を見ながら、歩けそうな所やハンモックが気持ちよさそうな所の目星をつけます。
そして、スーパー地形を見て詳細を調べたりします。
このスーパー地形図から、ホームである高尾山域にある山を見てみます。
国土地理院地図
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ハイカーにとって、お馴染みの地図です。
これで歩けるところを探すには山の尾根を探すんですよね。
ちなみ紙地図の登山詳細図では千手尾根として紹介されている道があります。
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紙地図のメジャーである山と高原地図では、何も書かれていません。
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さて、「スーパー地形」に戻りましょう。
Googleマップ
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街にいる時にはいつもお世話になっているGoogleマップ。
山では残念ながら使えないんです。
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Googleマップの衛生写真はとても使えます。
なぜなら植生がわかるから。
どんな山のイメージが湧きやすいです。
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このサイズにまで拡大をすることができます。
広葉樹の様子もわかるし、針葉樹が間伐されている様子もよくわかります。
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ちなみに同じ場所の国土地理院の地図。
このサイズ感でハンモック適地を探したりします。
植生図
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エコリスの植生図もとても役立ちます。
気持ちが良い場所は、広葉樹の森なので、植生を見れば気持ちが良い所はわかります。
地質図
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地質図もよくわからないながら見ます(笑)
しかも二つのバージョンがあります。
どんな山かイメージができるそうです。
高尾山域は、このような「砂岩優勢砂岩泥岩互層」と呼ばれる地層、つまり砂岩と泥岩の地層なので、急峻な谷はありません。
なので、「山で迷ったら降りずに登れ」という格言がありますが、谷に降りても大丈夫な場合が多いです。
ただし、谷より尾根のほうが歩きやすいところが多いのも実感としてあります。
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地質図を縮小すると関東の奥多摩・高尾・丹沢の複雑な地層がわかります。
なぜ、複雑になっているかと言えば、硫黄島の辺りからやってきた伊豆半島が本州にぶつかって押し続けているからなんです。
山域によって雰囲気が違うのは、この地層が違うからなんです。
ということは、自分が好きな山の雰囲気が事前に調べたらわかるのかもしれませんね。
参考として地質について山と渓谷にあったページを紹介。
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古地図
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これ全国を測量した最初の地図なんでしょう。
1984年は明治27年。近代化の波の中で測量が行われたのでしょうね。
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文字の読み方が右から左ですね。いわゆる戦前の地図です。
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地図の精度が上がり、カラーになりました。
この時辺りから航空写真から地図を作るようになったのでしょうか。
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この時の地図は紙地図が当たり前だったのですよね。
ちょうどつなぎ目が見えますね。
そして、地図の右上にある採掘場が拡大しているのがわかります。
古地図を見る時に役立つことは、古道を発見することがあるのです。
今は道として描かれていないのだけれど、昔には道があったところを見つけることがあります。
そんなところは歩けたりする可能性があるんですよね
古道歩きが好きな人たちもいます。
空中写真
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空中写真も見れます。しかも過去のも。
これも貴重な資料です。
ただ、この最新なんですが、Googleマップの衛生写真のほうが最新なんですよね。
この地図には2019年台風19号の崩落地が写っていないのです。
空中写真の歴史では、右上辺りの採掘場の変化が興味深いです。
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この写真を見ていると中学校から小津峠への道は以前からあったのではないかと思います。
写真は文字情報とは違うことが読み取れます。
何か違和感を感じたりしたら詳しく調べたら面白いかもしれません。
ハザードマップ
スーパー地形図では、ハザードマップも見ることができます。
情報量が濃いですね。
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もしかして、あの3面コンクリートで固められた川は土石流の危険性があるため?
でも、コンクリートで固めた方が危険という考え方も土中環境を読むとあるんですよね。
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ハザードマップ的なものは引越しをする時くらいしか見ませんよね。
その土地に興味を持った時に調べると良いのかもしれない情報です。
スーパー地形データ
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多分、このアプリの一番の売りはこのスーパー地形データ。
立体で山が見えてわかりやすいですが、ほとんど使ってませんね。
これは国土地理院の地図でこのイメージが湧くからです。
地図初心者ほど使って欲しい機能です。
まとめ
ハイカーとして、地図、コンパス、時計は重要なツールです。
もちろん現地での判断や直感も重要なんですが、客観的な科学的なツールも重要です。
地図からも情報がたくさん読み取れます。
この辺りは、外環自動車道のトンネルがあり、採掘場があり、全伐採地があり、古城があり、大きな土木工事があり、日本の縮図になっているのかもと思いました。
事前調査、事後調査にスーパー地形図オススメです。
GPS機能もあります。
オマケ
ハイカーも登山道を作るイベントがあったりしますね。
これからは、こういうエンターテーメントが増えるかも。
ハイカーズデポでの取り組み
雲ノ平登山道整備プログラム2021
「Trail Experience Tour 2019」アフターリポート
YAMAPでの取り組み
登山道整備のプロから学び、山の楽しみ方を広げる講座が開講!
YAMA LIFE CAMPUS 登山道整備編参加レポ|登山者が山を整備する未来に向けて
オマケ2
この辺りは多摩川流域です。地図も俯瞰で考えると見えるものが変わります。
流域思考で考えると広い視点が持てるかもしれません。
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備考
ここは林業の方達により山が管理されています。
なのでピンクテープを頼りに歩くと起きる道迷いが起きる可能性があります。
■ハンモックフルネスご案内
自然の中で自分を取り戻すためのワークショップ
https://www.hammockfullness.com
“ハイカー視点で森を見る時には地図を読む” への3件の返信