対話型ファシリテーションの勉強会での理解が深まっています。
今までのカウンセリングやセラピーの理論と実践経験から新しい洞察が生まれています。
対話型ファシリテーションは、「なぜ?」「どのように?」という問いを使わずに「なぜ?」「どこで?」「誰と?」「何を?」という問いで事実を明らかにするという手法です。
英語で表現すると、メタファシリテーションは「why?」「how?」という問いを使わずに「when?」「where?」「who?」「what?」という問いで事実を明らかにする手法です。
プロセラピストの上田正敏です。
心理を扱う場合の大前提として、「答えは自分の中にある」という共通認識があります。
それを導き出すのがファシリテーションという技術。
ファシリテーションはmake easy問題を簡単にするとメンターから習いこれを基準としています。
勉強会での出来事やその後の僕の周りの出来事を観察していると、多くの人は事実を認識していないし、語りません。
思い込みを認識し、それを語っているのです。
本当の現実は誰も知らないと言っても過言ではないでしょう。
それぞれが持つ幻想を語り合っているのです。
ちょっと深すぎる話にズレてきたので戻します。
「いつ?」「どこで?」「誰と?」「何を?」という質問は、その人の中の事実を知る質問になります。
その人が認識している事実が明らかになります。
これは事実の記憶と言ってもいいかもしれません。
「なぜ?」という質問は、物事を深めることに使える質問です。
これは感情や思考という想像に関しては役立つ質問でもあります。
ただこれは価値観とか観念を知る質問ですので役立ちます。
セラピーの世界では感情を解放したり、信じこみを変えていくことをしていきます。
その時には深めるということも大事だったります。
「どのように?」という質問は、これから何をしていくかという未来に対して役立つ質問です。
これもまだ起きていない想像した未来にたいするアプローチです。
「なぜ?」「どのように?」は脳のエネルギーを消費します。
思考の裏にある感情エネルギーが動くからです。
これは強力です。
「何が好きですか?」という質問も一見事実を確認する質問に見えますが、好みを聞く質問も価値観を問う質問なので答えづらいときがあるのです。
僕の持ち物であるヘッドフォンについて語るワークをしていた時に「どんな音楽を聴くのですか?」と聞かれて「うーん・・・」と答えずらかったんですね。
これ質問を事実質問に変えるなら「最近、聞いた曲は何ですか?」と聞いてくれたら答えやすいのです。
「レキシの曲を聞いてました。」と即答です。
記憶という事実。
感情、思考、思い込み、価値観や観念という空想。
この2つに分けて考えると、想像で話していることが多い。
そんな対話は空中戦になりやすいのです。
空中戦とはビジネスファシリエテーションの世界で使われている言葉で、上滑りするやりとり、抽象的で観念的、実りない議論のための議論のことです。
それに対して地上戦とは、常に事実に基づいて進められる、地に足の着いたやりとりのことです。
事実(地上戦) 対 空想(空中戦)
なのです。
この対話型ファシリテーションの本質は、この2つが区別できるのが第2ステップだと感じています。
自分が話していることは事実なのか空想なのか。
相手が話していることは事実なのか空想なのか。
これを明確に区別ができるとカウンセラーやファシリテーターとしての腕が格段に上がります。
訓練は必要ですね。
その曖昧さをセラピーのセッションで扱ったら1回で気づきが生まれることがわかりました。
感情のもつれがあるとここの区別がつきづらいのです。
十何年もクライアントさんの感情や観念をあつかってきているのですが、改めてこの視点で話を聞いていると違いをちゃんと区別していなかったなと。
そして、これができるかできないかが、この手法を使えるか使えないかの大きな分岐点になりますね。
事実を話しているのか、空想を話しているのか、この区別がわかるようになれば、何時でも何処でも対話する時に役立つことになりそうです。
仲間と会話する時には空想をただ話したりするのは、それはそれとして楽しんだらいいのです。
ただ対話をする時には事実を重ねてお互いに話して良かったと思える気づきがあると建設的になれますね。
次回の勉強会は10月、11月と開催予定です。
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