東京国立近代美術館で開催されているNo Museum, No Life?―これからの美術館事典国立美術館コレクションによる展覧会を見て、勝手に対話をしてきました。
友人の聖子さんが主催してくれて5人のメンバーでの対話。
この展覧会は、国立美術館5館が協力して美術館の存在意義を問うような本気の展示でした。
美術館って何?
と思っている人にとっては最高の教材となる展覧会です。
美術館デビューにもいいかも。
なんといっても教材が本物の美術作品を使っているから。
写真では伝わらない空気感を感じることができます。
絵って筆使いなので、画家の筋肉運動の軌跡が残っている。
細かく見た時に絵に込められたエネルギーを感じられるのです。
絵にも身体性があるんだなと感心。
僕がそもそも美術館に行ったのは「美とは何か?」という問いを持っているから。
学んでいる予防医学の宿題がこのテーマで、美しいと感じるところに治癒のエネルギーが宿るのではないかと仮説を立てているからです。
美について考えるなら美術館が一番いいじゃないかという単純な動機です(笑)
今回一番驚いたのは、美術館で撮影して良いということ。
写真は美術の教科書に載っているあの麗子像の若い頃バージョンです。
実物はね、すごいキラキラ輝いていて画家の愛を感じました。
写真って何を切り取るかで個性が表れるのが面白いですよね。
顔が緊張しているのは美術館で写真を撮るドキドキ感からです。
常設展には大好きな岡本太郎の絵もありました。
写真をビビッとに加工してみました。
これが美なのかはわかりません。醜悪かもしれません。
それが芸術というものだから。
岡本太郎の思想というか文章が好きなのです。
生き方とか考えとかからね。
彼は美についてこんなことを言っています。
美しいというのは、無条件で、絶対的なものである。
美の絶対感に対して、
「きれい」 はあくまで相対的な価値しか持っていない。
つまり型にはまり、時代の基準に合っていなければならない。
というものです。
この定義からすると美術館にあるものは「きれい」を集めたものなんですよね。
時代を美術作品という視点からアーカイブしているのが美術館。
そして、美術館は我々に美とは何かを定義づけをする教育機関でもある。
それが今回の僕の結論です。
その中に「美」も含まれている場合もあるんでしょうね。
美術館とは、教養としての美を扱う機関です。
対話の中で「美的発達段階」という話がでてきました。
これを調べてみると興味深いですね。
VTS(Visual Thinking Strategy)とは、アートを通じて鑑賞者・学習者の「観察力」「批判的思考力」「コミュニケーション力」を育成するプログラムがあるのだそうです。
そこでおこなう問いかけは3つあるそうだ。
- What’s going on in this picture?/絵の中で何が起こっているでしょうか?
- What do you see that makes you say that?/何をみてそう思ったの?
- What more can we find?/ほかには何が描かれていますか?
というもの。この問いで鑑賞に対する理解を深めていくそうだ。
アビゲイル・ハウゼンが博士論文(1983)で提案した「美的発達段階」とは、以下の5つの段階で構成されるそうだ。
- Stage I: 物語の段階/accountive stage
- Stage II: 構成の段階/constructive stage
- Stage III: 分類の段階/classifying stage
- Stage IV: 解釈の段階/interpretive stage
- Stage V: 再創造の段階/re-creative stage
よくわかりません・・・
僕がその対話の場で聞いた話によると、美術を見る時間に比例して見る目が養われていくというもの。
つまり、美とは教育の産物であるということ。
美術の教育性ですね。
美は学ぶことができる部分があるということ。
美術教育をいつするかというと小学校4年生が良いということだそうだ。
なぜなら、それ以前だと落ち着いて美術館で見れないし、それ以降だと作品ではなく異性ばかりを見てしまうという話が書いてありました。ステキな本です。
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子供の時の原体験に美術まつわる体験があるかないかも大きな差が生まれるのではないかと思ったりするのです。
平田オリザさんは文化の格差が広がっているということを言っていたような。
新しい広場をつくる――市民芸術概論綱要
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僕の場合、幸運なことに東京生まれ東京育ちで親がちょっと美術に興味があったのでしょう。
子供の頃に連れて行ってもらった記憶がある。
ピカソを見てビックリした記憶が鮮明に残っているのだ。
これなら僕にも書ける。書いてみると書けない。
横顔なのか正面顔なのか、いったいこれはなんだと子供心に残ったのです。
今でも覚えているくらいだから。
それ以降は思春期にデートで行ったり、海外に行ったときに見に行ったくらいかな。
つい最近では、世田谷美術館で行われた誰もいない美術館でのワークショップ。
2日間、展示されている作品と向き合って、美術館閉館後に美術館の中で発表会。
しかも作品の前とかでパフォーマンスをしたりもするのである。
学芸員、コーディネーター、芸術家の人達がファシリテーションしてくれたのが良い思い出。
美術館で見たという記憶を自分の体を使って表現まで高めていく。
ちょっとだけ美術館が好きになったというか作品を作る人のすごさを知った経験でした。
美術というのもから美を学ぶというのは、文化的な学び。
後天的に身につけていく美の感覚があるということ。
それのヒントが美術館にあるということがわかりました。
今回の展覧会での気づきは、美術館に来ている人達は、痩せている、オシャレである、センスがある、という3点。
美術を見るということは、客観的に自分を見る視点ができるということか。
美的感覚が磨かれると、センスがよくなるのかもしれません。
では先天的な美とは何か?
その答えは美術館にはありませんでした。
今はそれを知りたいと思っていたりするのです。
絶対的な美とは何か?
自分なりの答えがでてくるのが楽しみです。
■ソース ワークショップ
ワクワクという切り口から自分だけが持つ才能であり個性を見つけていきます。
自分自身がどんな人間なのかを知り、理想の仕事、理想のパートナーシップ、理想のライフスタイルを手にいれるためのワークショップです。
・発見編:8月29日(土)30日(日)
・活用編:9月21日(祝月)22日(祝火)
詳細他の日程はこちら↓をチェック。
http://www.yoriyoku.com/source/
■個人セッション
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自分を知り、自分の才能を磨き、生まれてきた目的がわかります。
自分自身との対話をサポートします。親子関係、人間関係の葛藤も解消することが可能です。
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