1年ぶりにaxesquinさん主催のシノギング講座に参加してきました。自分自身をアップデートするためにも時々新しい知見を増やしていくためです。
駅前はアースディイベントで激混み。GWとかどうなるんだろう?
パッキング講座
集合したら高尾599ミュージアム前広場に移動。ここで地味にパッキング講座です。これが良かったんです。みなさんのバックパックを例に見ることができるのが良いです。バックパックの思想や元気を理解していので機能を使えていない事象が起きるんですよね。
今回のイベントは実践的ということで事前に課題がありました。
【当日パッキング想定】
・バリエーションルート
・1泊(水分含む。宿泊装備はテント、シェルター、タープ、ハンモック、何でもOKです)
バリエーションルートとは、いわゆる登山道ではない道です。地図に載っていないし、場合によっては獣道や道がない場合もあります。地形図や地形を頼りに歩く方法です。これが冒険しているみたいで楽しいのです。山を散々やって来た人たちがたどり着く遊び方とも言われています。
山の中で泊まる装備は、宿泊道具と食料と水で量も重さも増えていきます。自分が持てるだけの荷物でなんとかするのは究極のミニマリストの体験でもあるんですよね。何が必要で何がいらないのか。選択するのが面白いのです。
実際にバックパックから荷物を全部だして、詰め直す作業をして、使用前使用後を確かめる作業をしました。
解剖学的には、体の重心は仙骨の内側で第二仙椎の中心部分にあるとされています。いわゆる丹田ですね。
そして重心を上下にわけて考えます。上半身の重心は胸椎の7から9番くらいのところ。つまりみぞおちの奥ですね。下半身の重心は大腿1/2と近位1/3の中点。つまり、ふとももの中心よりちょっと上。臨床的にはアバウトで大丈夫。骨格も筋肉も違うので対感覚で覚えておくといいでしょう。
上半身の重心は肩甲骨かみぞおち、下半身はふともも。そして体全体では丹田です。
歩荷の人やトレランの人を見ていると上半身で荷物を持っています。そして荷物の重心が丹田の真上になるようにしています。人間の重心の上に荷物の重心をのせるイメージです。肩で荷物を持つ感じなのです。
80年代にバックパックが進化する時に腰荷重が大事だと言われはじめたんだけど、これは20kg以上の思い荷物を持つときに重要な考え方です。ただ登山道具が軽くなっている現代では、バックパックの基本思想は肩荷重に変わってきているらしいのです。考え方のアップデートですね。
数年前に金沢に家族旅行をした時に、たまたま入った喫茶店で山と道がポップアップストアをやっていたんです。その時にMINI2を背負わしてもらい、「肩甲骨で持つことで腰が自由になって歩くのが楽しくなるんですよ」という話を聞いたのです。この偶然の出会いが登山に復活したキッカケだったんですよね。mini2ではなくThreeを買ってしまったのでMINIいまだに欲しかったりします。山と道のバックパックは人気がありすぎてお洒落で背負っている人が多く、機能を活用していない人が多いのがモッタイナイ。
話が長くなりました。簡単に結論を書くと、、、
バックパックの上のほうに重いものを詰める。食料や水を上のほうに、さらに人体に近い方に詰めるというということです。サイドポケットやフロントポケットに水を入れている人はバックパックの中に入れた方が楽に背負えます。バックパックの下には寝袋みたいな軽くてふわふわしたものを袋に入れずにそのまま詰める。なぜなら荷物の形が変わった方がパッキングがうまくいくからです。
あぁ、言葉で書くと難しい。図にしてみました。
これでもわかりずらいですね。これ実体験するとすぐにわかります。なので感覚的にわかるイベント参加オススメです。凌のイベントでは実践的なことだけ教えてくれるのでとても良いです。
そういえば、シノギングでは、アルトラよりもイノヴェイトのほうが向いているという話がでた。理由は足幅が狭くフィット感が高いのでトラバースの時に有利という理由。登山道では関係ない話。
火起こし講座
それから山に入ってバリエーションルートを歩きとある支尾根に。そう、誰にも会わないマイナーな場所にいきます。
森勝さんの火起こし講座がスタート。エンバーリット型と2次燃焼型のネイチャーストーブでの火起こし方法を学びました。
火起こしの一番のコツは、乾いた燃えやすい薪を集めることです。そのためには落ちていない木に引っかかっている枝を使うことです。火起こしには楊子からマッチ棒くらいの太さで質量があり、パキッと乾いた音で折れる薪をエリートと呼んでました。
もうひとつのコツは、炉を温めるという考え方です。火吹き棒などで空気を送り込むことは炉を冷やす行為なのでやらないほうがいいです。逆に手などで風が入らないように熱をこもらせることが大切です。そうすると熱がある臨界点を超えるときれいに燃えてくれます。
あと面白かった話は、個体、液体、気体の話。一番危ない燃料は、アルコールやガソリンなどの液体燃料です。こぼして燃え広がるので大変です。ガスは空気がないと燃えないのである意味安全だと。固形燃料や木などの個体が燃料としては一番安全なのだと。熱と空気がないと燃えないからです。焚き火が危ないという人は火を扱っていない人の可能性が大とのことです。知らない人がネットで燃やすという、、、違う燃え方をするということらしいです。
炉に熱をこめることで個体が液体に変わり気体に変わっていくイメージを持つことが大事だそうです。理科で習った燃焼を思い出しましょう。炭素が酸素と結びつくと燃焼するのです。その時に熱と光をだしてくれる原理を使っています。まぁ、そんな原理を知らずとも洞窟の時代の人たちは火を使って体をあたためたりご飯を作ったりしたからいいのだけれど、理屈を知っていると色々と応用しやすくなります。
参加者の中にjindaimountainworksのハンモックとタープを持っていて、エイリアンループを使っている人がいたので教えてもらったことが役立ちました。タープを注文してるので到待が楽しみです。このシステムもそのうちに動画にしてみよう。
そして、沢筋に降りて各自が火起こしチャレンジ。あえてエリート薪ではなく沢筋のマキで、マッチ1本でつけました。コットンも着火剤も使わず、薪とマッチだけチャレンジ。火をなんとか育てることができ、うまくいきました。風があるとか薪の湿り具合とか条件が変わるのでいつでもどこでも火起こしはできるようになりたいですね。この動画も更新しよう。
最後まで油断すべからず
で、ここからの帰り道で、なんと派手に転びました。ちょっと滑って、踏ん張ろうとしたら滑って、さらに岩につまずち倒れこみました。大きな絆創膏の傷が2つ、小さな絆創膏の傷が1つ、あと2つほど切り傷が。さらにアオネロというパンツに穴があいてしまった。また修理にださなきゃ。
倒れた時に講師の森勝さんが「あわてないで落ち着いてチェックして」という言葉がけで正気に戻りました。転ぶと恥ずかしいじゃないですか。だから何事もないように素早く立って誤魔化そうしちゃう。そんな時に、ゆっくり自分の体の状態を観察する。「足首の捻挫なし、骨も折れてなさそう、痛いのは両足の脛だけ」と体を観察してからゆっくり立ち上がる。手もちょっと打ち身がありそう。そうだ深呼吸をして落ち着こう。サバイバルではメンタルを整えることが一番重要なんですよね。「落ち着け!」が基本なんです。一人だったらコーヒーでも沸かして飲むところですね。森勝さんの声がけ学びになりました。
アフターシノギングへ
高尾山口駅で解散。その後、セブンイレブンに行きモツ煮とビール買い足し駅に戻る。そして、転んだ傷をじっくり観察して水道水で洗う。最近は消毒はしないほうが良いと聞くので洗うだけ。泥汚れはついていないので水で流すだけにしました。木のベンチに座り、傷を乾かしながらエマージェンシーキットから絆創膏を。できる限りの治療をして、さらに山へ(笑)
せっかく1泊装備で来たからには泊まっていかないとね。この時と同じ考え方だ。
日が暮れる前に別荘地に到着。ハンモック張ってタープを張って薪を調達。早速、今日の復習です。疑問に思ったことも試せて大満足まま眠りにつきました。そして翌朝は4時半からオオルリの鳴き声で起こされるという幸せ。
写真中の「道中安全お守り」は、今回から配られた新しいノベリティグッズでタイベック性です。
学習即復習。大事ですね。ありがとうございました。
オマケ:凌ハンモック
写真はサンプルだから撮らないほうがいいかなぁと満を持して作られた凌の新作ハンモック体験。名前は「ゲッカビジン」になるらしい。生地が2種類あってどちらも発売されるなら悩ましい問題がでてきますね。美しさ、寝心地、座り心地が従来のハンモックと違う工夫をされているのが素晴らしい。買います!早くでないかな。
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