お泊まりシノギング2020の様子はコチラにまとめています。
今回はそのイベントの中で初めて行われた有料地図読み講座です。
なんと講師1名に生徒2名という贅沢な講座です。
申し込み開始から5分で売り切れたほど注目された講座です。
普段のシノギングイベントでは、教えてくれることが盛りだくさん。
講師である低山小道具研究家の森勝さんが、サービス精神が旺盛なので様々なノウハウを教えてくれます。
地図読みのみならず、地形の読み方、道がありそうなところの探し方、ナイフ談義、火起こし、ファットウッド、ロープワーク、難所の凌ぎ方、タープの張り方、怪談話まで多種多様なことを教えてくれます。
その反面、盛り沢山になるからこそ、地図読みは疎かになる現象が発生しています。
といいつつも、僕が今までのシノギングイベントに参加することで地図読みはできるようになりました。
そのことはこちらにまとめてあります。
確かにこれだけでもシノギングは十分できます。
でもね・・・
インスタグラムでシノギングのボスである柳谷さんの地図の書き込みを見ていると、このイベントで学んだ地図読みと違うような気がしたのです。
その謎を解き、地図読みを深めようと思って今回の有料講座に申し込みしました。
ちなみに机上で学ぶうよりも現場で学ぶ方が100倍学びの価値がありますからシノギング のイベント参加オススメします。
そして、この記事そのものは、僕の覚書なので参考程度に。
地図読みがわかったらちゃんとした記事を書く予定です。
地図読み講座基礎編
これはお泊まりシノギングの初日に行われました。
最初はくじ引きで班わけです。
柳谷チーム、谷島チーム、森勝チームの3つに別れます。
なんと僕はボスである柳谷さんチームになりました。
シノギング提唱者に直々に学べますからドキドキとワクワクでいっぱいです。
一人欠席者がいたので、森勝チームはワンツーマンの贅沢仕様でした。
「シノギングとは何か?」ということから始まり、地図読みの基礎までを学びました。
地図読み関しては僕がにまとめた内容がほとんどです。
新しい内容としては、シノギングは自分がやりたいことをやることが大切。
決してウルトラライトに荷物をするのではなく、自分流のこだわりを持って凌ぐこと。
自分が歩きたいところ自分のペースで歩き、休みたいところでハンモックを張って休み、ウッドストーブでご飯を作る。
シノギングは日帰りでも泊まりでも荷物は同じ。違うことは食料が増えるだけ。
だから何があっても大丈夫。帰れなくても泊まればいいのです。
1日くらい食べなくても生命にはなんら問題はないです。
安全に自由に山を楽しむのがシノギングだと僕は思いました。
そして、地図読み上級編では、プレートコンパスが必要だということです。
僕は持っていませんでしたので、お借りしました。
プレートコンパスの写真がないので、講座後に僕が注文したコンパスはコチラです。
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01C87N3ZQ/freestyle-22/
より細かく地図を見ていくためには必要な道具です。
このプレートコンパスの使い方で次の日には頭がオーバーヒートするのでした・・・
地図読み講座実践編
お泊まりシノギングの2日目に2時間の予定で実践編は行われました。
実際には延長1時間で3時間の講座になりました。
参加者で行きたいところを決めて、地図読みをしながら進むということ。
僕らは谷を凌いで、尾根を降りるコースを選択。
まず地図読みの最初の儀式としてやることは整地です。
コンパスのダイヤルを北にセットし、地図の磁北線と合わせて、地面に置くこと。
これは迷ったときにリセットするための儀式としても役立ちますね。
ルーティーンを決めておくと気持ちが落ち着くのは科学的にわかってますから。
地図読み実践編で大事なことは観察です。
- 地図をよく見る
- 現場をよく見る
この2つの観察が大事だということ。
実際に橋から谷に降りようとしたけれど、高度があり無理。
近くに建物があったのでその側で観察をしたら道がある。
そこを降りると人工物の建物がある。
谷に降りられることを確信。
谷を見ると歩けそうだ。
谷は不思議な地形となり、人が手を入れたような跡が。
そして、沢筋が藪にやっているので、できれば行きたくない。
行きたい方向の逆を見ると気持ちよさそうな尾根がある。
そちらにコース変更。
開始300mで、このくらい頭を使っています。
地図をよく見る、周りをよく見る。
これが意外と簡単そうで難しい。
地図を見れば周りが見えなくなり、周りに気をとられていると地図を見なくなる。
忘れがちなのが時間を記入すること。
自分の履歴を記録していくことが大切なのです。
この情報を残していくのも地図読みには大事なことです。
地図も自分流にカスタマイズすることも大切です。
- 自分が歩くところだけ見えるように小さく畳むこと
- そこに東西南北を書いておくこと。(北だけでも)
- 通過時間を書くこと
- ハンモックポイント、人工物があれば記入しておくこと
そうやって自分の地図を作っていく作業が地図読みに必要です。
尾根にでたら、地図読みの次の段階に進みました。
細かく地図を見ていくことです。
自分の現在地から行きたい所に直線を引くのです。
これは道の方向が変わるときには必ずやっていくことです。
これがプレートコンパスを使わないとできないこと。
プレートコンパスの使い方は以下の通り。
- プレートコンパスの端で、今現在の場所と行きたい場所を結ぶ
- 磁北線とプレートコンパスのリングの北を合わせる
- コンパスの矢印が進むべき方向になる
なぜ、これをやるかというと、人間の感覚は当てにならないから。
人は楽な方、楽な方に進んでいく傾向があるからです。
遭難が起きる原因もこれです。
人間の感覚は信用できない時があるから科学の力を借りるのです。
それがコンパスを使うということです。
コンパスは北をずっと指してくれますから。
これは芸術と科学の関係に似ています。アートとサイエンスですね。
アートとは人により千差万別です。多様性です。
サイエンスとは誰がやっても同じ答えになる。真理性です。
地図読みで大切なのはサイエンスです。
誰がコンパスを使っても同じ北を指しますから。
これを拠り所にするのが地図読みの基本です。
もちろんアートである感性も大切で、「こっちに行きたくない」「ここは危なさそう」という危険察知力としての感覚は持っておきたいし、「ここが良さそう」「こっちが楽しそう」という遊び心も大切です。
地図読みはサイエンスを軸としてアートで楽しむ感覚が大事なのだと思います。
地図読みで大切な4つのことがあります
- 方角
- 緩急
- 地形
- 人工物
方角はコンパスを見ること。感覚をあてにしないことです。
実際に東に進んでいると思っていて、コンパスを確認したら南に進んでいたことがありました。
本当に人の勘はあてにならないと痛感しました。
緩急は地図読みと実際の感覚の両方を使います。
まずは地図を読んでいて、等高線が詰まっているところは急な坂道です。
逆に等高線がパランとしているところは緩い坂道です。
この変わり目を地図上でチェックしておくこと。
そして、歩きながら、ちょっとしんどくなったなと感じたら坂道が急になってきたということ。
楽になったなぁと感じたら傾斜が緩くなってきたということ。
この身体感覚も大切です。
もちろん目視でもわかることですが、感覚も大切だったりします。
地形は地図で見ることも大切ですし、周りをよく見ることが大切ですね。
地図に表現できないところも実際にはありますから、周りを見ることが大切です。
地図だって間違っている場合があります。現場の情報がすべてですから観察、観察です。
人工物は地図の場所を確認する上で重要な目印です。
建物、道路、林道、登山道、送電線は人工物です。
駅、神社、寺、学校はもっとわかりやすい目印になりますね。
この精密な地図読みをしながら歩いたら3キロくらいの距離に3時間かかりました。
神経を無茶苦茶使いましたね。終わった後は放心状態です。
集中力を半端なく使ったので、その後の緩み方がハンパなかったです。
だって、ハンモックやタープを撤収して荷物をまとめるのに時間が無茶苦茶かかりましたから。
さらに、バックパックに何を入れたのかもわからない状態でしたからね。
まとめ
イメージとしては、地図読みの精度があがりました。
この図は、地図読み入門(その3)で使った図で説明します。
最初の精度は現在地と目的地を結ぶだけの図1のイメージ。
①から②を通って③に行くにはどういう考え方をするのかという図です。
方向だけを考えている図です。
シノギングイベントに行って手に入れて地図読みの精度は図2の感じです。
方向だけでなく道はどこにあるのかを見るということ。
何度も言いますが、これで十分に凌げます。
図1は直線的な地図の理解でしたが、図2は曲線的な理解になったということ。
デジタルからアナログに変わった感じ。
この図3が、今回、手に入れた精度です。
アナログがさらに細かくデジタル化された感じです。
精度が上がるということは細かくなるということです。
見えている世界が鮮やかになるということです。
実際に使った地図はこちらです。
本当に充実した時間でした。
一人で凌ぎに行ってこの技術を「わかる」から「できる」に変えていきます。
柳谷さんありがとうございました。
そしてご一緒したHとりさんもありがとうございました。
自分と気質が違う人がいることで違いがわかったのが収穫です。
人によって長所と短所が違うんですね。
自分が弱いところは意識して使わないと使えないです。
僕の場合は地図に集中すると周りが見えなく傾向があります。
現地を観察する癖をもっとつけたら良いということがわかりました。
コンパスも注文したので、後は実践のみです。一人でシノギに行こう。
また新しい遊びを覚えてしまった(笑)