フィジカルコメディ集団toRmansionのワークショップに参加しました。
ここの代表とはワークショップデザイナーで学んだ同期です。
今回のワークショップは、フランスのルコック演劇学校のメッソドを使った身体表現のものでした。
以前にルコックはシグとジュジュの緊急クラウンのワークショップに参加したことあったのでちょっと懐かしかったり。
僕の理解では、ルコックは心や感情という内面からキャラクターや演技を作るのではなく、フィジカルという肉体の構造と動作から、人間の想像力を膨らませていくメソッドだと認識しています。
フィジカルをエネルギーを使って動かすからエモーショナルになるのです。
実際に生理学的にも肉体のほうが意志よりも早く動いている。
脳は肉体の後追いで反応しているにすぎなかったりするのです。
進行役のかよさんが印象に残っているのは「観察する」というキーワード。
ワークショップでは角砂糖が溶けるのを観察して、それを体で表現するというのをやりました。
砂糖が水に溶けるさまを観察して、それを自分の肉体を使って表現する。
自分の内面に取り入れるインプットとしての観察。
自分の肉体を使ってアウトプットする表現。
どちらも個性が現れる部分です。
観察して真似る。
これが人間にとっての学びの原点ですね。
ぶっちゃけ、これしかないともいえます。
観察をずっとしていて観察眼は養われません。
観察して自分の体を使って表現する。
演劇だけではありません。
絵を描くというスケッチもそうです。見て書くという動きがある。
で、僕は観察が大好きです。
観るのが面白い。ついついいろんなことをジィーっと見てしまいます(笑)
大きなテーマのひとつとして「アマチュアとプロフェッショナル」の違いはセラピストとして起業してからずっと観察しています。
アーティストの人たちについても同じように観察をしています。
ワークショップ後にうちのかみさんと話していて、あぁ!と気づいたんです。
プロフェッショナルな人たちの特徴として、プロは礼儀正しいのです。
言葉使いだとか作法とかの形だけ礼儀正しい人とは違います。
慇懃無礼な人とも違うのです。
その答えが見つかりました。
プロになっている人たちは、相手を観察していて尊重しているということ。
そして、体の反応速度が速いということ。
気遣いができる人なんです。
アマチュアはどうかというと自分を見ているのです。
周りを見ていない人が多い。
自分自身にしか興味がないんです。
また、周りにビクビクして見ているのは、ビクビクという自分の感情を見ているので、周りを見ているということにはなりません。
周りに合わせなきゃと空気を読んだり、わざと読まなかったりする人は、自分を見ています。
自分が周りを見ること、周りが自分をどう見ているかのバランスが絶妙です。
プロフェッショナルは、相手を受け入れて尊重することが行為として現れているのです。
私という器としての個性はあるけれど、個人はなくて、自分も周りとの同格に存在するだけなんです。
これを礼節と呼ばずになんと呼べばいいのでしょうか。
礼節を重んじるという原因を起こそうというのではないのです。
結果として礼節を重んじているんですよ。
toRmansionのワークショップを通じてそんな気づきを得ました。
ありがとうございます。
劇場公演も年末に上演されます。
フランスを始め世界で絶賛されたパフォーマンスを見るチャンスです。
2013年12月25日(水)~29日(日)こまばアゴラ劇場にて。
詳細はコチラ→http://tormansion.com